ある日、渋谷のゲームセンターで私は財布を盗まれてしまった。その日はたまたま銀行で10万程まとめておろした為、その月の生活費が一瞬にして消えてしまった。

当時金遣いがとても荒かった私は、クレジットカードをいくつも所有しており、現金がなくてもカードでなんとかなるだろうと思っていた。

しかし、やはり現金が無いのは困る。そして、多少抵抗があったものの、近所にアイフルがあったのでその門をたたいてしまった。無人契約機というものがあり、遠隔操作で身分証の確認などをしながらオペレーターと話を進めた。

一つ、困ったことが起きた。

勤務先の在籍確認がどうしても必要と言われた。そんなことを知らなかった私は、会社にばれるのは困るのでこの話はなかったことにしてください、と言った。しかしオペレーターにわからないようにするので大丈夫ですよ、と説得され、ついに承諾してしまった。

当時私はアパレルの販売職をしており、勤務先はテナントの店舗であった。客から私あてに電話がくることもたまにあったので、まあ大丈夫だろうという気持ちでいた。オペレーターはその場で私の店に電話をかけた。

そして、「○○という女性が対応してくれました。今日あなたは出勤していないと言われました」とのこと。20数名スタッフがいる大型店舗で店長が出たらどうしようと思っていたが、対応してくれたのは私と同期入社でしかも普段から仲良くしている同僚であった。何も知らない彼女に対して罪悪感を少し感じた。

次の日、いつも通り出勤し、休憩時間に彼女と一緒に煙草を吸っていた時に、彼女がいきなり彼氏の話を始めた。同棲している彼氏が見ていたパソコンをひらいたら、消費者金融のページが開かれており、前から借金していたのは知ってたけど、やめて欲しいんだよね、という話をされた。

私はドキドキしながらその話を聞いていたが、平静を装って、へー、大変だね、と返した。

ふと、なぜいきなり彼女はそんな話をしたのだろうと思った。彼女は気付いたのだと思った。

直感的に?それとも、自分も経験があるから?彼氏の話は作り話?今でもなぜ彼女に知られてしまったのかはわからない。

本当に気付いたのかどうかも定かではないのだが。

お金を業者から借りるということは、それ相応の覚悟が必要である。身近な人にばれてしまう可能性が常につきまとう。

今はこの体験から、クレジットカードの乱用はしないようになった。色々と苦労もあったが勉強になった貴重な体験である。